Instagramを始めようと思ったとき、最初に考えやすいのは、どんな写真を投稿するか、おしゃれなデザインにするか、フォロワーをどう増やすかといったことです。
もちろん、写真や見た目も大切です。ただ、実際に運用を始めると、それより先に決めておいた方がいいことがあります。それは、何のために発信し、誰に何を届けるのかです。
ここが決まっていないと、投稿するたびに内容に迷い、少しずつ発信の方向が変わってしまいます。今回は、小さなお店がInstagramを始める前に整理しておきたい5つのことを紹介します。
1.Instagramを使う目的
最初に決めたいのは、Instagramを使って何を実現したいかです。例えば、目的には次のようなものがあります。
- お店を知ってもらう
- 実店舗への来店を増やす
- 通販の商品を購入してもらう
- 新商品や営業情報を伝える
- お店の雰囲気を知ってもらう
- 常連のお客様との関係を深める
すべてを目標にしても構いません。ただし、最初から全部を同じ強さで追いかけると、投稿内容がまとまりにくくなります。
まずは、今、一番増やしたい行動は何かを一つ決めると進めやすくなります。例えば、通販を増やしたいなら、商品の魅力や購入方法を伝える投稿が必要です。実店舗への来店を増やしたいなら、場所、営業時間、店頭の雰囲気を分かりやすく伝える必要があります。
2.誰に届けたいか
次に考えたいのは、投稿を見てほしい相手です。「できるだけ多くの人に届けたい」と考えたくなりますが、相手が広すぎると、文章も写真も曖昧になります。
例えば、同じ餅の商品でも、飛騨高山を旅行している人、家族へのお土産を探している人、自宅用のお餅を探している人、季節の贈り物を探している人、地元で朝市を利用する人では、知りたい情報が異なります。
旅行中の人には、販売場所や持ち帰りやすさが重要です。贈り物を探している人には、箱や包装、内容量、注文方法が重要です。
相手を決めると、どの写真を使うか、どんな言葉で説明するか、どこへ案内するかが自然に決まりやすくなります。
3.何を投稿するか
Instagramを始めた直後は、投稿したい内容がたくさんあります。しかし、何でも投稿していると、初めて見た人がお店の特徴を理解しにくくなります。
そのため、最初に投稿の柱を3〜5個ほど決めておくのがおすすめです。例えば、小さな食品店なら次のように整理できます。
商品
- 商品紹介
- 食べ方
- 味の特徴
- ギフト
- 季節商品
お店
- 営業情報
- 販売場所
- 店頭の様子
- アクセス
- 朝市やイベント
ものづくり
- 製造風景
- 原材料
- 包装
- 商品ができるまで
- 作り手の考え
人や物語
- お店の歴史
- 家族やスタッフ
- ブランドを始めた理由
- お客様との出来事
- 地域とのつながり
お知らせ
- 営業日の変更
- 新商品
- 通販開始
- 売り切れ情報
- イベント出店
柱を決めておけば、毎回ゼロから企画を考えなくてもよくなります。
4.どのくらいの頻度で続けるか
Instagramでは、投稿頻度も気になるところです。毎日投稿すれば早く伸びるのではないか、と考えることもあります。
ただし、小さなお店では、Instagram以外にも多くの仕事があります。
- 商品を作る
- 接客する
- 発送する
- 仕入れをする
- 経理をする
- ホームページを更新する
そのため、無理な投稿頻度を決めると、途中で続かなくなります。大切なのは、理想的な回数より、自分たちが続けられる形を作ることです。
例えば、週に1回投稿する、月初に4投稿分をまとめて作る、毎週決まった曜日に準備する、写真があるときに下書きを作っておくといった方法があります。最初の一定期間だけ投稿数を増やし、その後は週1〜2回に調整する方法もあります。
5.投稿を見た後、どこへ案内するか
投稿を作るときに忘れやすいのが、その後の導線です。写真を見て「おいしそう」と思ってもらっても、購入方法や販売場所が分からなければ、そこで終わってしまいます。
投稿ごとに、次の行動を考えておきます。
- プロフィールを見る
- 公式サイトを開く
- オンラインショップへ進む
- 店頭へ行く
- 商品を保存する
- 問い合わせる
- 他の投稿を読む
すべての投稿で商品を売り込む必要はありません。ただし、興味を持った人が次に進める道は用意しておく必要があります。プロフィールには、公式サイトや通販ページなど、最も案内したい場所へのリンクを設置します。
投稿前にプロフィールを整える
投稿を増やす前に、プロフィールも確認しておきます。初めてアカウントを見た人は、投稿をすべて読む前にプロフィールを見ます。
最低限、次の情報が分かる状態にしておくと安心です。
- 何のお店か
- どこにあるか
- 何を販売しているか
- どんな特徴があるか
- どこから購入できるか
- 営業情報をどこで確認できるか
文章を詰め込みすぎる必要はありません。数秒で、「誰が、何を、どこで販売しているのか」が分かることが大切です。
最初の投稿は自己紹介だけでなくていい
Instagramの1投稿目には、長い自己紹介を書かなければならないと思うことがあります。しかし、最初からすべてを説明する必要はありません。
例えば、最初の数投稿を使って、お店の紹介、主力商品の紹介、販売場所、ものづくり、ブランドの考え方を少しずつ伝える方法もあります。プロフィールと最初の9投稿程度を見たときに、お店の全体像が分かれば十分です。
写真が揃うまで待たなくていい
投稿を始める前に、完璧な写真撮影を終わらせようとすると、開始が遅くなってしまいます。今ある写真の中から、商品が分かりやすい、明るさが足りている、大きな違和感がない、ブランドの雰囲気から外れていないものを選び、まず投稿を始めても問題ありません。
運用しながら、必要な写真を少しずつ撮り足していきます。どの写真が不足しているかも、実際に投稿を作ることで分かるようになります。
山田もち店で見直したこと
山田もち店では、以前からInstagramを使っていました。ただ、投稿内容や見せ方が、その時々で変わっていました。
そこで、運用を整え直す際に、誰に届けたいか、何を伝えるか、どの写真を使うか、投稿後にどこへ案内するか、どの頻度なら続けられるかを整理しました。
また、投稿内容を次のようなテーマに分けました。
- 商品
- 朝市
- ものづくり
- 山田もち店の物語
- 食べ方や楽しみ方
- 通販やギフト
これにより、投稿を考えるたびに方向性から決め直す必要が少なくなりました。
山田もち店は、飛騨高山の陣屋前朝市と通販で家族が営む小さな餅店です。Ascent Studioは、この事業を通してWeb・発信・AI活用を検証しています。実践の舞台を見る
まとめて作ると続けやすい
Instagram運用を続けるためには、投稿を毎回その日に作らない仕組みも重要です。例えば、次の流れです。
- 1週間分のテーマを決める
- 使う写真を選ぶ
- 投稿文をまとめて作る
- 投稿日時を設定する
- 投稿後の反応だけ確認する
予約投稿を使えば、忙しい日でも決めた時間に投稿できます。運用を習慣にするまでは、思いつきに頼るより、まとめて準備する方が続けやすくなります。
フォロワー数だけを目標にしない
Instagramを始めると、フォロワー数が気になります。しかし、小さなお店では、フォロワー数だけで成果を判断しない方がよい場合があります。
確認したいのは、例えば次のような変化です。
- プロフィールを見た人が増えたか
- 公式サイトへのアクセスが増えたか
- 商品についての問い合わせがあったか
- 店頭でInstagramを見たと言われたか
- 投稿が保存されたか
- 通販や来店につながったか
フォロワーが多くても、来店や購入につながらなければ、事業への効果は限られます。反対に、フォロワー数が少なくても、必要な人に届いていれば価値があります。
まとめ
小さなお店がInstagramを始める前に決めたいのは、次の5つです。
- Instagramを使う目的
- 誰に届けたいか
- 何を投稿するか
- どの頻度で続けるか
- 投稿後にどこへ案内するか
写真やデザインを整えることも大切ですが、最初に発信の土台を作っておくと、運用が続けやすくなります。最初から完璧な投稿を目指す必要はありません。今ある素材で始め、反応を見ながら少しずつ改善していきましょう。
発信を始める前に、今のテーマで次に試せる小さな行動を確認できます。
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